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【2010年07月~09月】
ビザ・在留資格、帰化・国籍取得、国際結婚・国際離婚など

【目次】9.2010年07月~09月
【目次】8.2010年04月~06月 7.2010年01月~03月 6.2009年10月~12月 5.2009年07月~09月
【目次】4.2009年04月~06月 3.2009年01月~03月 2.2008年10月~12月 1.2008年07月~09月

非嫡出子の相続半分の規定(民法900条4号)、違憲の可能性
(参考資料:2010年07月10日、読売新聞)

 和歌山県の女性が2009年、2002年に死亡した母らの遺産を巡り、非嫡出子(婚外子)である弟との分割を和歌山家裁に申し立てました。和歌山家裁と大阪高裁は、「非嫡出子の法定相続分は嫡出子の半分」と定めた民法900条4号の規定に沿った分割を命じました。これに対し、非嫡出子の弟は「規定は憲法に反し無効」と主張し、相続分を嫡出子側と平等にするよう求めて最高裁に特別抗告しました。
 その後、最高裁第3小法廷は7日、審理を最高裁大法廷に回付しました。最高裁大法廷は最高裁裁判官15人全員で構成される合議体であり、裁判長は長官が務めます。最高裁に上告された裁判は5人の裁判官からなる小法廷で審理されますが、裁判所法10条は以下の場合、小法廷で裁判をすることができないと定めています。①新たな憲法判断(同条1号)、②違憲判断(同条2号)、③過去の最高裁判例の変更(同条3号)。こうしたことから、大法廷が1995年に示した憲法判断が見直される可能性が出てきました。
 民法900条4号の規定について、最高裁大法廷は1995年7月の決定で、「民法は法律による結婚を保護する立場を取っており、格差はやむを得ない」とする初の憲法判断を示しました。ただし、裁判官15人のうち5人は、「相続格差を定めた規定は違憲」とする反対意見を述べました。
 この決定以降、最高裁小法廷は合憲とする判決や決定を5件出しました。裁判官の「合憲」と「違憲」の意見の数はいずれも小差でした。この内の3件では、裁判官5人中2人が「親が結婚しているかどうかという、子には決められない事情で差をつけるのは不合理」などの反対意見を表明したほか、残る2件でも反対意見が出されました。
 そして、合憲とした裁判官も補足意見として、「社会情勢の変化などを考慮すれば、相続格差を正当化する根拠は失われつつある」と指摘し、現時点では違憲の疑いが極めて強く、国会が規定を改正することが強く望まれる」と述べました。厚生労働省によると、最高裁大法廷が合憲判断を示した1995年に生まれた非嫡出子は約14,700人であり、出生数全体の1.2%でしたが、2008年に生まれた非嫡出子は約23,000人であり、出生数全体の2.1%に上昇しました。
 背景には、事実婚や「シングルマザー」を選択する人が増えたことがあります。最高裁大法廷は2008年6月、両親の婚姻を国籍取得の要件としていた当時の国籍法3条の規定について、こうした事情を踏まえて「法の下の平等」に反し違憲と判断しました。これを受けて、2009年1月、国籍法3条の規定は改正されました。国籍法改正をご参照下さい。
 今回の裁判で最高裁大法廷は、相続格差を定めた民法900条4号の規定が、1995年当時と比べて非嫡出子の出生数や比率が大幅に増加している現在においても、合理性があるかどうかの判断を示すとみられます。

外国人看護師候補者の中途帰国(日本での看護師断念)相次ぐ
(参考資料:2010年07月09日、読売新聞)

 2008年度から経済連携協定EPA、人的交流を含む経済交流を行う協定)に基づいて、インドネシアとフィリピンから外国人看護師・介護福祉士候補者を受け入れていますが、将来日本で看護師や介護福祉士になる夢を断念し、途中で帰国してしまう人が続出しています。
 斡旋機関である国際厚生事業団によると、今年7月1日現在、今年度来日したばかりの118人を除く880人中、インドネシア人15人(そのうち看護師候補者12人)とフィリピン人18人(同11人)の合計33人が中途帰国しました。特に、看護師国家試験の合格発表後に当たる今年4月以降、中途帰国した看護師候補者の数は合計11人に上りました。
 看護師候補者は現地の看護師資格保有者です。彼らは入国後、まず半年間の日本語研修を受講した上で病院などにおいて3年間勤務しながら実務を勉強していきます。彼らは毎年看護師国家試験を受験することができますが、滞在中に与えられた機会は3回のみです。今年不合格者となったインドネシア第1陣の98人にとって、あと1回の機会しか残されていない状態でした。なお、看護師国家試験に合格した者は、厚生労働大臣の免許を受ければ、看護師として活動できます。
 今年2月21日に行われた看護師国家試験では外国人看護師候補者のうち3人が初めて合格しましたが、彼らの合格率は僅か1.2%のみで、日本人の90%を超える合格率に比べて遠く及びません。医療の現場においては、日本語の壁が依然として高いと受け止めているようです。なお、昨年は受験者82人全員が不合格で、今年は251人が不合格でした。試験に出る専門用語の中には、日本人でも読めないような漢字(褥瘡、仰臥位、誤嚥、努責など)が数多くあるようですが、外国人向けの試験対策やインドネシア語などに翻訳された教科書もない状況でした。
 こうした実態を踏まえ、厚生労働省は今月、看護師国家試験に使われる難解な専門用語について、平易な言葉への言い換えなど、何らかの見直し方法を有識者検討会において集中的に審議しているところです。来月初めに提言をまとめ、来年行われる次回の国家試験に反映させる方針です。
 また、政府は6月に閣議決定した「新成長戦略」において、2011年度中に実施すべき事項として「看護師・介護福祉士試験の在り方の見直し(コミュニケーション能力、母国語・英語での試験実施等の検討を含む)」を明記しました。
 就労可能な在留資格も合わせてご参照下さい。

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