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【2014年01月~現在】
日本語教育、ビザ・在留資格、帰化・国籍取得、国際結婚等

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【目次】08.2010年04月~06月 07.2010年01月~03月 06.2009年10月~12月 05.2009年07月~09月
【目次】04.2009年04月~06月 03.2009年01月~03月 02.2008年10月~12月 01.2008年07月~09月

最高裁大法廷判決、再婚禁止期間100日超は違憲
(参考資料:2015年12月17日、日本経済新聞)

 最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は16日、離婚した女性は6カ月間再婚できないとの規定(民法733条)を巡る訴訟の上告審判決で、「100日を越える部分は違憲」とする判断を示しました。最高裁が違憲立法審査権に基づき、法律の規定を違憲と判断したのは戦後10件目です。今回の違憲判断は15人の裁判官の全員一致によるものですが、その内2人(鬼丸かおる裁判官、山浦善樹裁判官)が「100日以内も違憲」とする意見を述べました。
 最高裁大法廷が16日に示した判断の要旨は以下の通りです。

 【多数意見】
 女性のみに6カ月の再婚禁止期間を定める民法の規定は、再婚の要件で男性と女性を区別しており、合理的な根拠に基づかない場合、法の下の平等を定めた憲法14条に違反する。
 立法目的は父子関係をめぐる紛争の発生を未然に防ぐことにあり、関係が早期に明確になることの重要性から合理性が認められる。しかし、100日を越える部分は医療や科学技術が発達した今、正当化するのは困難だ。
 晩婚化が進む一方で、再婚する人が増加するなど、再婚に関する制約をできる限り少なくするという要請は高まっている。世界的に再婚禁止期間を設けない国が多い。妻が結婚前から妊娠していた子を産むことは再婚の場合に限られず、100日を越える部分は結婚の自由に対する合理性を欠いた過剰な制約だ。憲法24条2項の両性の本質的平等に立脚していないことも明らかで、同項と憲法14条1項にも違反している。
 原告の国家賠償請求は離婚した2008年当時、違憲であることが明白とはいえず、国会が正当な理由なく長期間、改廃などの立法措置を怠っていたとはいえない。
 【鬼丸かおる裁判官の意見】
 一部の期間を違憲としても、多数の女性に不必要な制約を課す可能性があり、再婚禁止期間は全部が違憲と考える。
 【山浦善樹裁判官の反対意見】
 DNA検査は簡易に低額の費用で正確な父子判定ができ、再婚禁止期間の必要性は完全に失われており、規定は全部違憲と考える。社会状況の変化や国連委員会による規定廃止勧告などから、2008年よりも相当以前に違憲になっていたことは国会で明白だ。国家賠償請求を許容すべきだ。

 このような最高裁大法廷の判断を受け、菅義偉官房長官は16日の記者会見で「厳粛に受け止めたい。早期に民法を改正する」と述べました。そして、法務省は同日、法改正までの不利益を解消するため、離婚後100日を過ぎた女性が婚姻届を出した場合、受理するよう各法務局を通じて全国の市区町村に通知しました。

最高裁第一小法廷判決:DNA型鑑定で父子関係の解消認めず
(参考資料:2014年07月18日、朝日新聞)

 北海道と近畿の夫婦(夫婦は既に離婚しています。)のケースですが、婚姻期間中に妻が夫と別の男性と交際した結果、交際男性との間に子が生まれました。生まれた子と交際男性との間でDNA型鑑定を行ったところ、生物学上の父子関係が「99.99%」という結果が出ました。これを受けて妻が子を原告として、夫とは親子関係がないことの確認を求め提訴しました。一、二審はいずれも、「DNA型の鑑定結果は親子関係を覆す究極の事実」などと指摘し、夫との父子関係を取り消す判決を出しましたが、夫側はともにこれを不服とし、父子関係の維持を求めて最高裁に上告しました。
 最高裁第一小法廷(裁判長:白木勇)は2014年7月17日、DNA型鑑定で血縁関係がないと証明されても、その事実のみで一度決まった父子関係を取り消すことはできないという判断を示し、二審判決を破棄しました。この最高裁の判断は、血縁関係よりも「子の法的な身分の安定」を重視したものです。民法772条には「妻が婚姻中に懐胎した子は夫の子と推定する」という規定がありますが、これは父親を早期に決め親子関係を安定させることが子の利益につながるという考えに基づいています。この規定は1898(明治31)年に定められたもので、現在利用されているDNA型鑑定を想定していませんが、今回の最高裁の判断は、最新のDNA型鑑定による証明があっても、この規定の例外にはならないということを示したものです。
 しかし、この判決は、5人の裁判官が「3対2」で分かれるという、僅差の結論でした。反対意見を出した金築誠志裁判官は、「本件のように、夫婦関係が壊れて子の出生の秘密が明らかになっており、かつ、生物学上の父との間で法律上の親子関係を確保できる状況にある場合に」、元の父子関係を取り消すことを認めるべきであると指摘しています。また、この判決では、複数の裁判官が新たな立法を求める意見を出しており、今後、この問題に関する議論が高まることが予想されます。
 こうした最高裁の判断に対し、専門家(家族法)の見解を見ると、棚村政行・早稲田大学法学学術院教授は、「DNA型鑑定偏重の傾向に警鐘を鳴らした点は評価できるが、判決に沿えば、『法的な親子』と『事実上の親子』との間にねじれが起きる。子の利益や生活実態が考慮されておらず、大いに疑問だ。実情を踏まえた法整備を急ぐべきである。」と指摘しています。その一方、水野紀子・東北大学大学院教授は、「判決は妥当である。DNA型鑑定だけで父子関係を覆せることになれば、子の身分は不安定になる。嫡出推定は、子の養育環境を守るために妻の産んだ子について夫に責任を負わせる制度である。鑑定で父子関係が分かるようになっても、その存在意義は失われない。」と述べています。
 確かに、桜井龍子裁判官の補足意見にあるように、親子関係に関する規律は国の基本的な枠組みに関する問題であり、親子関係の問題の解決は裁判所で個別事案として行うのではなく、国会で立法政策の問題として検討されるべきでしょう。しかし、民法772条の規定が制定されて以来、実情を踏まえた法整備が未だに行われていない現在、白木勇裁判官が反対意見の中で指摘しているように、裁判所が日々起きる新たな事態に対処するため、個々の事案ごとに妥当な解決策を見出していく必要性も否定できません。何が子の利益(幸福)につながるのか、そこを一番に考えるべきではないでしょうか。

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